村山大介陶芸研究所が使っている窯は、プロパンガス窯です。ここから当研究所のさまざまな器達が焼き上がって来ます。
焼成時間は、だいたい20時間~22時間。窯焚き終了後、2日程度放置して自然に窯が冷めてから窯出しをします。
当研究所のガス窯は、季節や天候に合わせてガス圧、温度、空気の量などを微調整しながらバランスの取れた納得のいく焼き上がりを目指しています。それでも毎回、窯の扉を開け一段一段と器を出す度に一喜一憂するのです。
同じような器を作り続けているよう見えますが、それをキープするには少し骨を折る必要があったりなかったり…
窯出しを終えた器達が一斉に鳴り始めます。これは、器が外気に晒され冷めて行く間に器の表面に寛入という細かいヒビが生まれているためです。水色の透明釉の「トルコ青釉」を使った器は寛入が入り易いので、窯の中にトルコ青釉の器が多いと特に顕著に表れる現象です。この音色は徐々に治まっていきますがそれでも2日程「チン♪…チン♪…」と囁き続けます。