村山大介陶芸研究所

作品紹介・説明

村山大介陶芸研究所では、釉薬の材料となる木の灰を灰汁抜きするところから器作りは始まります。粘土を練り、ロクロを回し、窯に詰めて焼きます。同じ形をひたすらに作っているように見えて、その都度一つ一つにチャームポイントや掌に乗せた時の揺らぎの違いが表れます。

当研究所の器達がどのようにして出来上がるのか、制作の一旦を少しだけご紹介させていただきます。

制作者 : 村山大介…..1977年1月生まれ、キラキラした透明な釉薬に魅了され陶芸の道を進み続けています。性格は神経質で不器用、社交性は最近出来てきた模様。

【  土  】

食器を制作している以上「使う道具」である事を前提に安定した土を選んでいます。2種類の土を独自の割合でブレンドし、現代の生活様式(電子レンジや食洗機、漂泊剤などの使用)に対応させながらも、陶器ならではの風合や温かみが出るように配合しています。

【  成形  】

当研究所ではロクロ成形とタタラ成形が主な成形方法として採用しています。形と品質の安定を目的としながらも、すべて手作業で作り出すからこそのリズム感や揺らぎ、シルエットの違いに気付いていただけたら幸いです。

【  装飾  】

当研究所の器の特徴でもある、側面に入れた縦の線は鎬(しのぎ)といいます。鎬は沖縄の壺屋焼の鎬の技法を使っています。長年に渡り、この技法を使っているので壷屋焼の鎬とは少しづつかけ離れてて来ています。粘土を削り落すという単純な技法だからこそ手の癖や間隔、リズムが器に現れるのかもしれません。ちなみに鎬をするための道具は車のワイパーの骨?(金属の棒)を木に縛り付けて自作しています。

【  釉薬  】

様々な色の釉薬を絵具のような感覚で使用しています。カラーバリエーションがあれば同じ形であっても印象が変わり選ぶ楽しさも増すのではないかと考えます。

     

キナリ : 半マット(半艶消し)の調合に、酸化チタンを加えたもの。白過ぎない柔らかな色合いで濃淡で色の変化が楽しい釉薬。

シャーベット : 薪ストーブの木灰を使ったマット釉。うっすらと青味がありサラサラとした新雪が凍った様な質感です。

オリーブ : 透明釉に鉄を加え、青白磁の釉薬を作ろうとして結局出来上がった釉薬。昔の中国の玉っぽい緑が重厚感有りです。

飴 : 透明釉に鉄を配合。創業当時キナリと飴の2色でスタートした原点の釉薬。甘みを感じるかのような色合いが特徴。

瑠璃 : 透明釉にコバルトを加えたもの。独特な透けるような青で藍を思わせる色合いです。

トルコ青 : 流れる透明釉に銅を調合。ガラスのように窪んだ箇所に溜まり濃淡が出来るのがとても美しい釉薬。寛入多い。

その他 : 緑伊羅保釉、蕎麦殻釉など時々により使用している。色々と試作を重ね新しい釉薬もいずれ登場します。

【  焼成  】

ガス窯を使用し還元(弱還元)焼成。ガス窯の特性と求める結果とのバランスで焼き方が決まってきます。当研究所では色のバリエーションが多いですが、ほとんどの釉薬を一緒の窯内で焼けるように調整して焼成しています。

【  販売  】

「作ったものは自分で売る」を前提としながらも、数多くありませんが全国各地に当研究所の意思をご理解いただき取り扱ってくださる販売店様も存在します。信頼の下で器を預けているお店ばかりなので、見掛けた際は是非手に取っ手ご覧いただければ幸いです。

村山大介陶芸研究所は作り手と使い手が共に豊かになれる間柄を築きながら制作活動をしたいと願っています。世の中には数多くの器、お店が存在する中であえて当研究所の器を選び使っていただける事への奇跡にも似た体験や出会いを肌で味わう事こそが制作への原動力へと繋がり、人と人、人とモノとが温かく穏やかに関わりあいながら少しづつ広がり増えていく様々な現象が豊かさだと考えています。

村山大介陶芸研究所の器は、器の紹介と販売を兼ねた「カタログ」ページにて、ご注文いただけます。ご注文方法の詳細は「ご注文」ページをご覧ください。